講座レポート【上西充子さん】第1回オンライン講座
『呪いの言葉の解きかた』

レポート
2021年2月7日(日) 00:00

2021年2月6日、MeToo情報発信室(Newsでおしゃべり会)は浦安市当代島公民館講座の企画運営協力をしました。

『呪いの言葉の解きかた』「呪いの言葉」から自由になろう!

 緊急事態宣言を受け、リアルでの開催からオンラインに切り替えての開催でした。3週連続で上西充子さんをお迎えする講座、第1回目は著作の『呪いの言葉の解きかた』についてのお話しです。画面オンでお互いの顔を見ながらの方式。もちろん、いつオフしても、最初からオフでもOKです。ギャラリービューで上西さんを囲んでお話を聞き、あたたかい時間を共有できました。


呪いの言葉に気づいて切り返してみる(実際に切り返せなくても大丈夫)

呪いの言葉の解説のあと、実際の切り返し方をみんなで考えました。チャット欄に上がってくる切り返しに上西さんが解説とアドバイスをくれます。「そうそうそう。」「これいいですね~。」と楽しそうに読み上げてくれる上西さんにつられるように、チャット欄がどんどん埋まっていきます。

呪いの言葉とは思考を縛ってしまうもの、切り返しは思考の柔軟体操。実際に切り返す事は難しいし、切り返さない方がいい時もあるので、これは呪いを内面化しないためのトレーニングだという事を話してくれました。

例えば「辞めるなんて無責任だ」と言われたら、「その通りだ、みんなに迷惑をかけちゃうしな」と思ってしまうけれど、思考が柔軟になれば「自分のわがままじゃない、相手のマネージメントの問題だ」とわかってきます。そうなった時にはじめて次の作戦を立てられるようになります。

また、思考が柔軟になれば、呪いの言葉から解放されたイメージが湧きやすくなります。上西さんはそのイメージをさらに膨らますためにドラマやコミック、映画の力を借りる事をおすすめしてくれました。


呪いの言葉から解放されるために

続いて、言葉というのはマイナスの方向にもプラスの方向にも働くというお話。灯火の言葉、湧き水の言葉についてです。

灯火の言葉は「相手に力を与えて主体的な言動を促す言葉」、心に灯が灯るような言葉です。「がんばれ」って言葉が思い浮かびませんかと言われてどきっとします。「がんばれ」に励まされる時もあるけれど、言ってる側の気持ちを押し付ける言葉でもあると言います。灯火の言葉とは相手の行いを丁寧に言葉にして返す事、つまり相手をよくみていないと難しいのです。ついつい言ってしまう「この間はありがとうございました。」「今回は勉強になりました。」、何に感謝してるのか、何が勉強になったのかをひと言付け加えると相手の灯火になるかもしれませんねと具体的な例を出してくれました。

呪いの言葉から自由になり、灯火の言葉をかけられると、自分の中から自然と出てくるのが湧き水の言葉、呪いの言葉から解放されるために必要な言葉です。

自分を支えた灯火の言葉はありますか?という問いがありました。すぐに出てこない人が多いかもしれないけれど、意外とかけてもらっているのでは?という投げかけ。意識的に言葉に敏感になり、灯火を増やしていく事が大切だとしめられました。

 

後半は質問や感想、実際にかけられた呪いの言葉を参加者でシェアしました。

2回目は実際に自分を勇気づけてくれた灯火の言葉、湧水の言葉を掘り下げます。


質問より

・湧き水の言葉は灯火の言葉からとありました。自己肯定感のようなものだと思うのですが、どのように育まれると思いますか?

お答え:例えば家庭で親からたっぷりと灯火の言葉をかけられ、自己肯定感が育つ場合もあれば、呪いの言葉しかかけられない場合もあります。こうなると自己肯定感どころじゃないですよね。だからこそ、社会の中でお互いに灯火の言葉を掛け合うことが大切だと思います。(ドキュメンタリー映画『プリズンサークル』をご紹介いただきました)

・呪いの言葉をかけられても、例えば職場だと言わない方がメリットがあると思ってしまい、結局、行動を起こせない人が多いと思います。その辺はどう思われますか。

お答え:作戦が必要ですね。ひとりで言うと潰されたり、目をつけられる可能性があります。構造的に立場が弱いからこそ、組合があって集団で行動する事は憲法で保障されてます。仲間を増やす事で力を発揮できる可能性が増えます。でも、みんなに相談しても「そんな事やめよう」って賛同されない場合もありますよね。それはうまくいくイメージを持てないからかもしれません。でも、社会は少しずつ変わりました。それは過去に行動した人のおかげです。そういう体験を共有して、一人ひとりが社会は変えられるというイメージを持つのが大事ですよね。

 


講座の中で紹介されたドラマ、映画、コミック

コミック 海野つなみ『逃げるは恥だが役に立つ』

https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000036370

コミック やまだ紫『しんきらり』

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480022219/

ドラマ『ダンダリン』

https://www.ntv.co.jp/dandarin/static/story.html

映画『サンドラの週末』

http://www.bitters.co.jp/sandra/intro.html

ドラマ『私の家政婦ナギサさん』

https://www.tbs.co.jp/WATANAGI_tbs/

映画『プリズン・サークル』

https://prison-circle.com/

映画『サンドラの小さな家』

https://longride.jp/herself/

映画『パブリック 図書館の奇跡』

https://longride.jp/public/

 

HakuTomo