講座レポート【上西充子さん】第2回オンライン講座

2021年2月13日、MeToo情報発信室（Newsでおしゃべり会）は浦安市当代島公民館講座の企画運営協力をしました。

『呪いの言葉の解きかた』「呪いの言葉」から自由になろう！

3週連続で上西充子さんをお迎えする講座、第2回目は前回に続き、著作の『呪いの言葉の解きかた』についてのお話しです。

ついつい相手の土俵にのってしまうけど

まず、呪いの言葉についておさらいです。

オリ・パラ組織委員会の元会長森氏の発言になぞらえて、”女性は話が長い”、”わきまえている女性もいる”と言う発言を聞くと、私たちはどう感じるか…様々な感情が湧き上がるのでは？と提示してくれました。「私も話が長いのかも」＜呪縛＞、「話が長い人いるよね。私はわきまえてるのに」＜分断＞、「話が長いのはそっちでしょ」＜反発＞、「はいはい、私はわきまえません」＜対抗＞など、ついつい相手の土俵にのせられてしまう状況がわかります。森氏の本音は「女性委員を4割にすると正論を振りかざされて面倒ですよ」という事で、問題の本質は意見を言えない構造を作っている事。呪いの言葉を吐く相手の土俵にのってしまわず、本質を見ていく事が大切だというお話でした。

これも呪いの言葉？「なんで、そう言うのか」を見てみると

次に前回の講座で集めた呪いの言葉。それに対する切り返し方を参加者とチャット欄を使って考えました。

前回の講座で集めた呪いの言葉は…

・お母さんの愛情弁当

・人さまに迷惑をかけるな

・あなたのために言ってるのよ

・男のくせにメソメソするな

・自己責任でしょ

・みんな仲良く

難しかったのは「自己責任でしょ」。切り返しの言葉がなかなか出てきません。「時代的に呪縛が強いという事ですよ。例えば専業主婦が主流だった時代には”嫌なら出ていけ”に切り返す言葉が無かったけれど、今は違います」と上西さん。次の「みんな仲良く」も一見すると呪いにはみえません。大人から子どもによくかける言葉でもあります。でも、いじめられてる子に「みんな仲良く」という言葉がけは呪いでしかありません。「”みんな仲良く”してくれていれば管理が楽という事もありますよね。」とヒントをくれる上西さん。その言葉がなぜ発せられるかに目を向けると切り返しが考えやすくなる事がわかります。また、他の人の切り返しに触れると発想が広がる事も実感できました。

呪いの言葉を解くのは、当事者だけじゃない

言葉は呪いにもなるけれど、灯火にもなります。参加者が自分にかけられた灯火の言葉をお話しする時間を取りました。プライベートな体験談でしたが、灯火の言葉が与える力を実感できました。

そして、呪いの言葉をとく方法として、呪いを吐く人と吐かれる人を二人っきりにしない、第三者介入についての話もありました。「当事者が声を上げても生意気だと切り捨てられてしまうような状況の時、第三者の立場だからこそできる事があります。声を上げるのは誰でも大変だけれど、矢面に立たされてる人よりは負担は少ないし、届く場合もあるのでは。」というお話でした。続いて、例えば会議の席で「女性は話が長いから増やせないね。」と社長が言ったらあなたならどうしますか？というお題が出されました。「その場にいる女性が意見するのは勇気が必要です。その会議に出ている第三者、例えば立場が上の男性が何か言う事が有効になるのでは」というお話し。ついつい笑いで同調してしまうなど起こりがちですが、もし自分が第三者になったらどうするか問われている気がしました。